犬を家族に迎えたら、トイレを覚えさせることは大切です。しかし、しつけがなかなかうまくいかず、イライラしてしまうこともありますよね。おしっこやうんちは毎日するものなので、いつまでもトイレが覚えられないと粗相したときの掃除や洗濯も大変です。今回は犬のトイレトレーニングを失敗しないためのコツや、しつけ方法などを解説します。
筆者も最初はトイレのしつけに苦戦し、何度も失敗を繰り返してきましたが、今では粗相での掃除や洗濯とは無縁です。トイレを覚えてもらうことで、愛犬との楽しい時間が増えたり、愛犬と一緒の旅行も安心して行けますよ。トイレのしつけ経験や介入事例も交えながら解説していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
犬にトイレのしつけが必要な理由
適切な水分量を摂っている成犬であれば、1日5回ぐらいおしっこをします。水をあまり飲まない子は1日2~3回ほど。子犬であれば成犬よりも膀胱が小さいため、7~10回ほどおしっこをします。
筆者の愛犬は平均値である1日5回です。しかし、1日5回おしっこをするとなると、外でしかできない場合は外に出るまで我慢しなければなりません。
外でしかおしっこできない子は台風の日などに怖くて1日中我慢してしまうこともあります。このように、犬は極限までおしっこを我慢してしまう子もいるので、我慢すればするほど膀胱炎などのリスクが高まります。
家でおしっこができないことが原因で病気になってしまったら、愛犬を苦しませることになるので、トイレのしつけはとても重要なことです。根気のいるしつけではありますが、諦めずに覚えてもらえるようにしていきましょう。
トイレのしつけはいつから始めるのがベスト?
トイレのしつけは犬を家族に迎えてすぐに行いましょう。おしっこやうんちは毎日するので、早い段階で覚えてもらうことが飼い主さんの負担軽減にもなります。
愛犬を迎えた当初は筆者も苦労しました。ベッドは寝心地がいいということも理解できておらず、ベッド=トイレになっている時期もありました。そうなると何度もベッドを洗濯することとなり、予備のベッドがなくなって寝るときに使えないということもあります。
洗うのが難しいカーペットや人間用の布団にしてしまうこともあるので、トイレは優先的に覚えてもらいましょう。
トイレのしつけを失敗しないためのコツ
トイレのしつけは手順通りに行っても、上手くいかないことがあります。しかし、そこで諦めずに間違った行動をしていないか確認してみましょう。
1つ1つ自分の行動を確認することで、トイレのしつけが失敗する理由がわかることもあります。かくいう筆者も幾度となく失敗を繰り返しましたが、愛犬の行動を観察して何度も試行錯誤した結果、トイレを覚えてもらえました。筆者ができたので、誰でもトイレのしつけができるはずです。
とくに犬と暮らすのが初めてという方は筆者のように時間がかかると思いますが、根気強くしつけをしていきましょう。ここで解説するトイレのしつけのコツが参考になれば幸いです。
騒ぐのは褒めるときだけにする
トイレ以外の場所におしっこやうんちをしてしまうと、つい騒いでしまうこともありますよね。しかし、騒いでしまうと犬は「ここでおしっこしたら喜んでくれた!」と勘違いしてしまいます。
こんな風に勘違いしてしまうと、同じ場所でおしっこをしてしまうかもしれません。こういったリアクションは褒めるときに温存しておきましょう。
汚してしまった場所を掃除する際も、なるべくノーリアクションで行うのがおすすめです。筆者は騒ぐ性格ではないので、薄いリアクションしかせずにその後も無言で片づけていました。掃除が終わってからは何事もなかったように接するようにしていたので、この対応はしつけにいい影響があったと思っています。
怒ったり叱ったりしない
怒ったり叱ったりしないということは騒がないことよりも重要です。怒ったり叱ったりしてしまうと、「排泄することが悪いこと」と認識してしまう可能性があります。排泄したから怒られたと認識すれば、極限まで我慢してしまったり、外でしか排泄できなくなるケースも少なくありません。
筆者の愛犬は寝る少し前に必ずおしっこをします。しかし、トイレでおしっこができなかったら、何時間も我慢させることになるでしょう。筆者は何時間も愛犬におしっこを我慢させるくらいなら、失敗してくれた方がいいと思っています。
我慢させたことが原因で膀胱炎や尿路結石などの病気を発症し、愛犬が苦しむのは嫌だからです。だからこそ、どんなに掃除の手間がかかったとしても、怒ったり叱ったりしないで欲しいと心から思っています。トイレを覚えれば掃除の回数も減っていくので、怒ったり、叱ったりしないであげてください。
愛犬の排泄タイミングを把握する
トイレのしつけをする上で、愛犬の排泄するタイミングを知ろうと努力することは大切です。愛犬の排泄のサインがわからないとトイレに誘導するタイミングを間違えてしまい、失敗する確立が高くなります。排泄のタイミングを理解することは、トイレトレーニング完了後にも役立ちます。
筆者も愛犬を迎えた当初は排泄のサインがまったくわからず、誘導するタイミングを誤って失敗し続けていました。おしっこしたいときはクルクル回るという情報を頼りに、愛犬の行動を終始見ていたのですが、何もアクションを起こさずにおしっこしてしまいました。
実際にクルクル回るのは子犬のときも成犬になってからも、おしっこやうんちを出す直前が多いです。この経験から犬を家族に迎えたばかりの場合、排泄のタイミングを見極めるのは難しいと感じたので、排泄の時間を予測する方法をおすすめします。愛犬の行動パターンを把握できるようになってから、チャレンンジしてみてくださいね。
筆者の愛犬は成長するにつれておしっこしたいと教えてくれたり、アクションを起こすようになりました。犬が排泄したいときのサインがわからないという方は、以下を参考にしてみてください。
- いきなり猛ダッシュする
- 機嫌が悪くなって甘噛みする
- 人が訪問してきたなどの吠える要素がないのに何かを訴えるように吠える
- トイレや地面のニオイをしつこく嗅ぐ
こういった行動がある場合は排泄のサインである可能性が高いです。犬が吠えるときは何かを伝えたいというときもあるので、むやみに怒らないようにしてあげてくださいね。そういった場合は犬が伝えたいことを理解して行動することで、すぐに吠えるのをやめてくれますよ。
排泄する時間を把握する
子犬の場合は排泄回数も多く、迎えたばかりだとお世話することにも慣れていない状況なので、排泄した時間をメモしておくのがおすすめです。しかし、子犬から成犬になるまでに排泄頻度が減っていくため、把握する自信がない方は1歳になるまで排泄時間をメモしておきましょう。
愛犬のトイレのしつけを行うなかで、排泄する時間が決まっていることに気づきました。筆者の愛犬は大体同じ時間に排泄するので、参考までにうんちも含めた排泄の時間帯をまとめておきます。
- 朝一
- お昼(おしっことうんち)
- お散歩中
- 夕食の前後
- 寝る前
うんちの時間は日によって違うこともありますが、お昼の時間帯に出なければお散歩の時間や寝る前にしています。回数は1日1回が多いですが、稀に2回するときもあります。
家での排泄場所はケージかサークルがおすすめ
おしっこをした後は足にかかってしまったり、うんちを踏んずけてしまうこともあるので、排泄場所はケージかサークルのように排泄を終えるまでは出られない環境がおすすめです。そのまま部屋を歩き回ってしまうと衛生的にもよくありませんし、トイレで排泄ができたとしても余計な掃除の手間が増えてしまいます。
また、ケージの場合は床面がプラスチック製などの掃除がしやすい素材となっていますが、サークルの場合はカーペットやフローリングとなることが多いでしょう。排泄エリアを清潔に保つためにも、クッション性が高く、撥水加工が施されているマットやシートを敷いておくと排泄後の掃除もラクになりますよ。
トイレとベッドは一緒に置かない
犬は寝床から離れたところで排泄をする習性があります。犬は人間が思っているよりもきれい好きで、寝床を汚したくないからです。
私たち人間も汚れたベッドで寝るのは嫌ですよね。だからこそ、ケージやサークルの中にベッドとトイレを一緒に置かないように工夫してあげましょう。
我が家では愛犬が「おしっこしたい!」と教えてくれるので、ケージの中に眠るときはベッドだけを置き、排泄するときはトイレだけ入れるようにしています。しつけが完了していなかったときは、誘導してトイレを入れては出すを繰り返し、何度も誘導して排泄しないか注意深く確認していました。
寝床のケージとは別にトイレ用のサークルを作ると出し入れしなくてもすみますが、ケージとサークルを一緒に置くには広いスペースを確保しなくてはなりません。筆者のようにサークルを置く場所が取れない場合は、必ずトイレとベッドを一緒に入れないようにしてあげてくださいね。
トイレはいつでも清潔に
犬はきれい好きなので、トイレが汚れていると排泄しないという子もいます。筆者の愛犬も1回おしっこした後に続けてうんちする場合は、ペットシーツを取り替えてきれいにしてからでないと排泄できませんでした。なぜ、トイレが汚れていることが原因だとわかったのかというと、急いでトイレをきれいにしたらすんなり排泄できたからです。
うちの子のように汚れたトイレで排泄できない子がいるので、トイレは常に清潔な状態を保ちましょう。外出している際に交換できないのは仕方がないですが、家にいるときは1回排泄するごとにトイレ掃除をしてあげてくださいね。
また、トイレは自分の匂いがついていた方が覚えやすいので、消臭力が弱めのペット用除菌シートを使用するのがおすすめです。
一度決めた排泄場所を変えない
トイレの設置場所は愛犬が過ごす時間が長い部屋に設置するのがおすすめです。筆者も愛犬が長く過ごしているリビングにトイレを設置しています。愛犬が長く過ごす部屋であれば、排泄がしたくなったらすぐに対応してあげられます。
しかし、一度決めた設置場所はコロコロと変えないようにしてあげてください。急に排泄場所を変えてしまうと愛犬が混乱してしまう可能性があるためです。愛犬が混乱しないように、トイレの設置場所は1ヶ所に決めておきましょう。
トイレに誘導すべきタイミング
トイレに誘導するタイミングは愛犬のトイレサインがあったときや、排泄の時間などを把握して誘導するのがベストです。しかし、まったくわからないといった場合は、以下のタイミングでトイレに誘導してみるとよいでしょう。
- 寝起き
- 水をたくさん飲んだとき
- 水分量の多いフードを食べた後(手作り・ヒューマングレードや水やスープでふやかしたフードなど)
- 水分量の多い野菜や果物を食べた後(キュウリやレタス、ナシやスイカなど)
- 興奮して突然ダッシュする
上記のなかでも寝起きはおしっこをする可能性が高いです。お昼寝のときはしないこともありますが、朝一は高確率でするので、起きたらすぐトイレに誘導してみましょう。
しかし、興奮して突然ダッシュするという項目に関しては、誘導するのが難しいと感じると思います。ダッシュ中の場合は「ここだよ!」というような感じで声をかけてあげるようにし、トイレゾーンに入ったらすぐに入り口を閉めるようにしてみましょう。
筆者は愛犬がトイレを覚えるまでは、ダッシュが終わりそうな頃合いを見計らって声をかけていました。また、犬によっては興奮する以外に謎の行動をすることもあるので、日ごろから愛犬の行動もよく見るようにしておきましょう。
トイレトレーニングの手順
しつけのコツに続き、トイレトレーニングの手順を解説します。1日の排泄回数は限られており、トイレのしつけはお手やふせなどのように何度もトレーニングを行うことはできません。
そのため、排泄しそうな行動があったときは必ず誘導し、諦めずにとトレーニングを継続することが重要です。誘導したとしてもなかなか排泄しないときもありますが、根気強く教えてあげましょう。
1.ソワソワしたらトイレに誘導する
トイレトレーニングのコツで示した以下のタイミングでトイレに誘導してみましょう。誘導するときは抱っこしてトイレに連れていくのではなく、声をかけたり、おやつを手に持つなどして自分でトイレに足を運べるようにしてみてくださいね。
- 愛犬のトイレサインがあったとき
- メモした排泄時間を迎えたとき
- 排泄しやすい状況に当てはまるとき(寝起きなど)
しかし、上記の条件を満たしていたとしても、必ず排泄するとは限りません。排泄しないからといってすぐにトイレを設置した場所から出してしまうと、トイレエリアを出た途端に排泄してしまうこともあります。
まずは、排泄しないかしばらく様子を見るようにしましょう。排泄しないと判断したとしても油断していると失敗してしまうので、常に愛犬の行動を見るようにしてあげてくださいね。
2.声をかけながら待機
トイレを設置しているエリアに誘導しても、すんなり排泄しないことがあります。そういった場合は「シーシー」や「ピーピー」など、排泄が上手くいくように何度も声をかけてあげましょう。言葉は自分が言いやすいもので大丈夫です。
筆者は自身の経験からトイレのしつけは音で伝えることが重要だと考えています。ここで声をかけておくと排泄の合図だと理解してくれる可能性もあり、これがトイレのコマンドとして利用できることもあるからです。
トイレは手の動きでサインを送ったとしても、おすわりのようにすぐに排泄はできません。そのため、持続的に排泄して欲しいことを音で伝えるのは、トイレトレーニングにおいて有効なのではという考えに至りました。
筆者でもできたので、誰でも必ずできるはずです。排泄をなかなかしなかったとしても、諦めずに何度も繰り返してみましょう。
3.トイレで排泄できたら必ず褒めてご褒美を
トイレで排泄できたら必ずご褒美をあげて大げさというくらいに褒めてあげましょう。迎えて間もない頃であれば、トイレをしてすぐにご褒美という流れがおすすめです。
長く一緒に過ごしていれば、少し遅れてご褒美をあげたとしても何に対してのご褒美なのかを理解してくれます。しかし、信頼関係を築くことや、他のしつけをしていない段階で教えている場合は何でご褒美がもらえたのか理解するのは難しいでしょう。
筆者の愛犬は警戒心が強い子で、お腹をなかなか見せてくれませんでした。今でも家族以外の人からもらうおやつはなかなか食べないほどです。
そのため、信頼関係を構築できていないと感じていたときはご褒美がすぐにあげられるように、家にいてもおやつをポケットに入れて持ち歩いていました。トイレで排泄をしたらすぐにご褒美があげられるようにです。
トイレトレーニングは迎えてすぐに行うべきしつけなので、排泄をしたらすぐにご褒美があげられるようにしてみてください。愛犬がトイレで排泄することを覚えてきたら、少しずつご褒美を減らして何もなくても排泄できるようにレベルアップできるようにしていきましょう。
ただし、子犬の場合は消化器が未発達の状態なので、違う種類のおやつをあげすぎると消化不良の原因となります。おやつはトイレトレーニングのご褒美以外のものも含め、2種類ぐらいを少量ずつ小さくして工夫するようにしましょう。
子犬のしつけと成犬のしつけの違い
子犬と成犬のトイレトレーニングは、それぞれ抑えておくべきポイントが異なります。基本的にしつけ方は同じで大丈夫ですが、成犬の場合は子犬よりも工夫が必要となるケースもあります。
では、それぞれの抑えておくべきポイントを解説していきましょう。しつけがうまくいかないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
子犬のトイレトレーニングのポイント
子犬は外でしか排泄ができないなどの癖がついていないので、成犬よりもスムーズに覚えられる可能性が高いです。スムーズといっても、誘導して排泄を促したりを繰り返し教え込む必要があるため、時間がかかることは否めません。
しかし、狂犬病の注射をするまではお散歩ができないので、外で排泄する感覚を覚える前にトイレトレーニングができることは大きなメリットです。外で排泄したことがない子犬であれば、工夫せずとも何度も諦めずにトイレで排泄することを教えれば、必ずできるようになります。ただし、カーペットやソファーに排泄することに慣れてしまわないよう、注意するようにしてくださいね。
子犬は成犬よりも排泄回数が多いので、トレーニングをするチャンスがたくさんあります。できれば子犬のうちに覚えてもらえるように何度もトレーニングしましょう。
成犬のトイレトレーニングのポイント
成犬の場合は子犬よりもトイレのしつけが困難となるケースが多いです。トイレトレーやトイレシートの上で排泄した経験がなかったり、外でしか排泄できないこともあるからです。
さらに、成犬は子犬に比べ、今までと違う環境に慣れるのに時間がかかることもあります。成犬を迎え入れたという方は、新しい環境に慣れてもらうことから始めましょう。それまではトイレトレーニングを無理にする必要はありません。
今までと違う環境に戸惑っている状況では、トイレを教えたとしても理解することが難しくなるでしょう。新しい環境に慣れたら子犬と同じようにしつけを行います。
外でしか排泄できない場合は、雑草などをトイレトレーの中に入れてあげるのもよいでしょう。トイレトレーで排泄する習慣が身に着くまで、外でしている感覚と似た状況にしてあげるのが大切です。
徐々に雑草の量を減らしていき、最終的にはトイレシートにできるようにしていきましょう。トイレトレーにかすかでも自分のおしっこのニオイが残っていれば、次第にここが排泄する場所だと理解できるはずです。
成犬の場合は子犬よりも時間や労力がかかるかもしれませんが、ゆっくり焦らずに教えてあげるようにしてあげましょう。
トイレのコマンドを覚えさせておくと便利
コマンドの方法は人それぞれ違いがありますが、筆者は缶のフタをカンカン鳴らして合図をしています。
あるとき、おしっこをしたそうな行動があり、走りたい様子でしたが、気分を上げたいようで「何かしてくれ!」と言っているかのように訴えてきました。そこで、音で興奮する性格の愛犬に缶のフタをカンカン鳴らしてみたところ、猛ダッシュしてそのままトイレに排泄。
それ以来、「おしっこは?」「うんちする?」などの声をかけてから缶を鳴らすと排泄してくれるようになりました。熟睡させてあげたいので、寝る前におしっこを済ませられるのは本当に助かっています。
これが絶対という決まりはありませんが、筆者はおすわりなどのコマンドとトイレのコマンドは別物とみなした方がいいと思っています。排泄は合図を出したところですぐにはできず、持続的に合図する必要があるからです。
通常のしつけではクリッカーを使うこともありますが、トイレトレーニングにおいては難しいので、他の音を使ったやり方がおすすめです。トイレのコマンドに使うものは以下を参考にしてみてください。
- プープー鳴るおもちゃなどで音を出す
- 合図となる言葉を連呼する
- 愛犬が興奮するもので音を鳴らす
きっかけを掴むのはなかなか難しいと思いますが、愛犬オリジナルの合図を模索してみてくださいね。
トイレトレーニングの介入事例
トイレトレーニングの方法やコツを解説してきましたが、本当にこの方法でうまくいくのかと疑問に思う方もいるでしょう。そこで、犬と暮らす家庭でトイレトレーニングを行った際に、自発的にトイレで排泄できるかといった実践研究の内容を紹介しようと思います。
実践研究の対象者は犬を飼った経験がない方を集めて行われたものなので、初めて犬を家族に迎えたという方の参考にもなるでしょう。
実践研究の内容と結果
この研究では4組の家庭を集め、排泄場所の設定やしつけの手順はこの記事で紹介した通りの手順が指導されていました。※それぞれの家庭が異なる犬種で、すべて子犬での事例となります。
それぞれの家庭で指示通りにトイレトレーニングを行ったところ、3組の家庭の犬がトイレで排泄できる頻度が上昇したということが示されています。
そのうち1組は、おしっこだけをトイレでできるようになったものの、うんちもトイレでするという理解ができなかったようです。また、飼い主さんがうんちのトレーニングを行わないと決めたことが、このような結果に至ったと報告されています。
トイレトレーニングがうまくいかなかった1組は、犬のために時間を割いたり、自分の生活を変えたくないという理由からしつけを実行しなかったことが失敗の要因となりました。
4組中、おしっこもうんちもトイレでできるようになった2組は、飼い主さんが諦めずに継続したことが成功に繋がっています。
ご褒美のおやつによる犬の行動の変化
この文献にはトイレで排泄できた際に、ご褒美をあげることによる次のような犬の行動の変化も記載されています。
- トイレで排泄後に走っておやつをもらいにくる
- トイレで排泄後におやつを催促する
- 排泄を数回に分けて何度もおやつをもらいにくる
- 飼い主さんを見ながらトイレで排泄する
この結果からもわかるように、「トイレで排泄するといいことがある」という条件付けをしっかり行うことがトイレトレーニングに有効であることがわかりました。
また、この論文では上記のような行動の変化がなかった場合、おやつを変更するか、与えるタイミングの見直しが必要であることも示されています。愛犬の様子を見つつ、おやつの種類や与え方を再確認しながらトレーニングをしていきましょう。
参考:小田 史子 オペラント条件づけによる子イヌのトイレトレーニング : 家庭における室内トイレトレーニングの介入事例
粗相をしてしまったときの対処法
トイレトレーニングに失敗し、粗相をしてしまった場合はニオイが残らないようにしっかり掃除しましょう。嗅覚が優れている犬は、ニオイが少しでも残っていると同じ場所に排泄しようとします。
トイレトレーニングをスムーズに行うには、粗相をした後の対処をしっかりしておきましょう。筆者も愛犬が粗相をしてしまったときの掃除は丁寧にしていました。
カーペットにしてしまった場合は中性洗剤を希釈した雑巾で拭き、何度も水ぶきして洗剤が残らないようにするのに苦労しました。その下のホットカーペットにも同じことを行い、さらに下の畳も除菌シートで拭いてから劣化しないようにドライヤーで乾かしてから消臭。これを粗相する度に行っていました。
筆者の場合は子犬のときにしつけを行っていたので、マーキングはしませんでしたが、マーキングする子はもっと強いニオイが残ります。トイレトレーニングを本気でしたいと思うなら、粗相する度にしっかり洗濯や掃除を行いましょう。ニオイをしっかり落とすためにも、できるだけ粗相してすぐに掃除や洗濯をするようにしてくださいね。
掃除や洗濯後におすすめの消臭剤
掃除や洗濯の後に使うおすすめの消臭剤は愛犬に直接吹きかけたり、舐めても安心のペット用消臭剤「カンファペット」です。
ペット用消臭剤は香りでごまかすタイプのものもありますが、カンファペットはアンモニアやホルムアルデヒドなどのニオイの元を分解。ニオイの発生源を分解して水に戻すことで無害化してから消臭できるので、犬と暮らす家庭でも気軽に使えます。
カンファペットは財団法人日本食品分析センターで高い安全性が認められており、動物病院や人間の病院、介護施設などでも使用されています。
強力な消臭効果に加え、除菌効果もあるため、お散歩後の足裏除菌や涙やけのケアなどさまざまな場面で利用できて利便性も高いです。粗相をしたらすぐに掃除や洗濯を行い、仕上げにカンファペットで消臭してみましょう。
初回限定のお試しセットなら、本体ボトルと詰め替え用が46.6%OFFの1,580円(税込)で購入でき、30日間返金保証付きです。公式サイトかYahoo!ショッピングで購入できるので、興味がある方は好きな方法を選んでみてくださいね。
ただし、カンファペットは消臭力が強いため、トイレトレーの掃除に使用することはおすすめしません。トイレトレーにはおしっこのニオイが多少残っていた方が覚えやすいので、消臭力が弱めのペット用除菌シートがおすすめです。
まとめ
今回は犬のトイレトレーニングの解説をしました。トイレトレーニングは時間や労力、根気が必要となりますが、諦めずに何度も教えてあげることが大切です。
介入事例のように、途中でしつけを諦めてしまえば失敗に繋がる可能性が高くなります。とても大変なことですが、家の中でも排泄ができるようになれば、外でできないときに我慢する必要もありません。
おしっこを我慢せずに排泄できるようになれば、膀胱炎などのリスクも軽減できます。愛犬が排泄を我慢して苦しむことがないよう、トイレのしつけは必ず行って欲しいと心から思っています。
この記事がトイレトレーニングの参考になれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。
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